新型肺炎で中国人のいなくなった渋谷は実に平和な空気感が漂っていた
昨年末開業して、東京で一番混雑していると評判の渋谷スクランブルスクエアを、出張ついでに覗いてみた。
明日はバレンタインデーのせいか、開業景気がまだ続いているのか、スイーツフロアはそれなりに混雑していた。
BUT!、お気づきだろうか?
普通なのである。
ね、こっちも普通である。
何を指して、普通といっているのか、というと、
想像以上に呑気
なのである。
今や地方に住んでいても、TVやネットを通じて、最新情報がどんどん流れてくるので、情報貧民にならなくなった。
BUT!、実際にこうして来て、見てみなければ、現地の空気感は全くつかめない。
実に普通なことに驚いた。
連日、新型肺炎コロナウイルスの感染者数、死者数がトップニュースである。
もうこれ以上の事態とならぬよう、豪華客船に隔離された感染の恐れのある乗客は、絶対ダイジョウブと判明するまで日本の土を踏ませない、完璧な予防体制を敷いている。
マスクは売り切れ続出で、手に入らない、状態と、売り切れになったドラッグストアと、どうやって予防すればいいの、と困っている主婦の声。
空気感染はしないらしいが、飛沫感染と接触感染では強い感染力があるから、ドアノブもエレベーターのボタンも安易に触ってはいけない、などなど、注意を促す情報が、朝から晩までけたたましく報道されている。
そんな状況下の、都心は一体どんな状況になっているのか、と恐る恐る出張したのであった。
朝乗車した新幹線の乗客は、ほぼ全員、マスク着用していた。
やっぱり、もうこれが常識なのだと、うなずいた。
東京駅に到着し、山手線に乗り換えた。
満員電車に鮨詰状態で、マスクはしていても顔と顔がくっつく状態で、どうやって居場所を確保したらよいか、分からない。
吊革につかまるとウイルスが付着するというから、なるべくつかまらないようにしたいが、みんなそういう感じだと、急ブレーキ時には、ドミノ倒しになるのは間違いない。
新橋を過ぎると、車内はガラガラになり、みんな着席できる。
東京人はいつもなら、7人掛シートにはちゃんと詰めて7人かけようね、みたいな整然としたルールを守っている。
BUT!、気のせいか、立ったままで座らない人が多くみられ、シートの座り方も、ちょっと空けたままで、あえて詰めない、くっつかない感じかな、と見えた。
なので、込んでいる間は、隣人と並んで座っていても、少し空いてくると、一人分空けて離れるのがエチケットか?という感じがした。
BUT!、そんな緊張感があったのは、朝だけだった。
今日の東京は、暑かった。
午後になると、マスクをしていない人が増えてきて、初めに紹介した写真のような、
ごく普通の光景
になった。
マスクしていて、汗ばんでいるのも気色悪いし、かえって不衛生かもしれぬ、という感じがするくらい、「大丈夫だろう」感を、私も共有していた。
渋谷の街には、生足のセーラー服でカラフルな色とりどりの髪の女学生が集団で闊歩していた。
いつも通りの平和な日本が、まだそこにはあった。
家に帰ると、今日、神奈川で国内初の死者が出たとか、千葉では中国に渡航歴のないのに陽性の患者が確認されたとか、和歌山では医師が感染したとか、また、いつもの調子で、クライシスが次々報道されている。
一体このギャップは何だろうか?