大事な時に空気を読んではいけない。
高1だった気がする。
スネークマンショーというグループがあった。
宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統の声の声優ということで当時有名になってきたばかりの伊武雅刀と、この後ベストヒットUSAで大ブレイクする小林克也が扮する咲坂守が、ラジオ番組でノリノリにやっていた。
当時彼らが番組内で、反戦運動を始めた。
戦争反対の署名を集めて、番組に送ると、黒い羽根が送られてくる。
黒い羽根を胸につけることで、戦争反対を主張する、という番組企画だった。
私は当時、進学校に通う真面目な高校生だった。
が、なぜかこの企画に惹かれ、番組から署名用紙を取り寄せ、クラスで署名活動を始めた。
たちまち、クラス中に「あいつバカじゃねえ?」という白い眼がささった。
もっとどんどん署名が集まると思っていた自分は、非常に鈍感な、空気読めない子だった。
戦争反対!
死ぬのは嫌だ!
怖い!
そういう正直なメッセージを素直に受け止められるのが、高校生だと思っていた。
オトナにはなりたくない。
ピュアでありたい。
戦争反対!
なぜ、みんなで、いいね!戦争反対!と言えない?
優等生の白けた視線が怖かった。
ちょうど、小松政男の
しーらけどーりー、とーんでゆーけー、南の空へーー、みじめーー、みじめーー、みじめーーー
というくだらない歌が流行っていた。
時代が、白けた人間をベルトコンベヤーで大量生産していた。
しかし俺は、大量生産品になりたくない。
歯車になりたくない。
そう思っていた。
もう忘れていた記憶が次々とよみがえる。
第三次世界大戦がはじまるのか?
と、TVが騒ぎ始めた。
その一方では、保釈中のMr.ゴーンが、国外逃亡した上に、自分が正しいと声明を発表したと、騒いでいる。
私は共産党員ではないが、共産党員を尊敬する。
毎朝、雨の日も雪の日も通勤通学の人に向かって、「憲法9条を守れ」というプラカードをもって、笑顔で皆を見送っている爺さんがいる。
たぶん共産党員だと思う。
あの爺さん、もう30年も毎朝立ってると思う。
最初から爺さんに見えたから、爺さんに30足したら、90歳超えているのではないか?
えらい、としかいいようがない。
あの爺さんは、トランプとイランの戦いを目にしながら、どう感じているのだろうか。
TVのように、他人事と思っているはずがない。
明日もきっと、プラカードを掲げて、笑顔で立っているはずだ。
黒い羽根運動で、戦争がなくなるとか、これっぽっちも思ってはいなかった。
しかし、何もしないより、よくないか。
戦争反対!
といえる人間でありたい。
そんな大事なことで、白けてたらいけないだろう。
なんか今日は別人のような、メッセージ色強すぎる、と今気づいたが、もうこんなに書いてしまった。
大事な時には、空気読めないほうがいい。
共産党員は、空気読めないところに存在価値を感じる!