目指すのは日本一でいいのか?
電動アシスト自転車で橋を渡る時、いつも元気な声が橋の下から聞こえる。
甲子園を目指す高校球児たちが、寒い朝練に始まり、夜8時くらいでもナイター設備のあるグラウンドで声を出している。
この橋の気温計がゼロ度を記録したのは、もう1カ月も前だ。寒い朝も夜も、練習に精を出す球児たちには脱帽である。
球児たちの日々たゆまぬ努力には、敬意を払う。
それはそれとして、いつも気になるのが、遠くに見える「激攻鉄守日本一」だ。
目標を高く持つのはいいことだ。
この高校は、甲子園に出たこともある。すごい。
だから、いいにしておこう。
では、話が終わってしまうじゃないか。
私が持つ違和感は、目指せ日本一!だ。
日本人は、がんばるぞ!という代名詞で「日本一」と言いたがる。
気がしてしょうがない。
別に、日本一を目指していただいて構わない、素晴らしいのであるが、どうせ目指すなら今の時代、世界一じゃないか?
南野拓実、すごいぞ。ワクワクするぞ。
野球だって、イチローを初め、すごい活躍だ。
世界一も、なんだそりゃ、と言われる時代が、そこまで来ているかもしれない。
ホリエモンが実践しているように、ロケットで宇宙を目指す時代だ。
島国根性、という言葉があるが、日本は鎖国政策が長く、日本人意識が高い。
なんでも日本一を目指したがる。
日本一はベストオブベストだと勘違いしてる。
その点、「グランメゾン東京」はいいね!
最初から、三ツ星を目指していて、ぶれない。
ぶれない男はカッコイイ。
キムタクもいい年の重ね方をしているね。
何もかにもごちゃ混ぜにするんじゃねえ、と、灰皿が飛んできそうだが、今時、灰皿というアイテムも見なくなったわ。時代は、変わる。
良かれと思って、日本一を目指していると、笑われる時代が来ている。
グローバル化はお題目でなく、教育の場でも実践してほしいものだ。
甲子園の先にはU-18があるし、イチローもプロ野球の監督になるんじゃなくて、高校球児の世界レベルへの育成に目標を置いているような気がする。
一方、目標が高すぎて、全然頂上が霞んでしまって、見えない、というのも困る。
俺たちの目指すのはエベレストだろう、とお題目のように繰り返されて、命かけられるかよ?と白ける、というのも困る。
さらに、初心者も老人も、気軽に「てっぺん」を目指されても困る。
猫も杓子も、富士山とエベレストを目指すもんだから、素人登山家で渋滞が始まっている。
何事も、分相応にふさわしく、丁度良いベストポジションを、ちょっと高く設定して、トライしてほしいものである。
なんだ、じゃ、日本一は、丁度よかったじゃないか、って?
うるさい。
私が違和感を感じたのは、事実だ。
アメリカの教育者も、目指せ全米一、って、同じように指導しているのかね?
全米一は世界一だったりするしね。
たぶんそうなんだろう。以上。