電動アシスト自転車のバッテリー
標高500mの山の上から市街地まで自転車通勤である。
本当はロードバイクでヒルクライムが好きだが、昼休みの1時間内に「家に帰って昼飯食べて会社に戻る」という荒業をこなすために電動アシスト付き自転車通勤をしている。
電動でなくても、家から会社までは、ずっと下りと平坦路のみだから、10分あればイケル。会社から家までは、人力だと30分はかかるが、電動アシストであれば、20分で帰れる。
会社はクールビズ期間以外はネクタイにジャケットが必須である。
そこがジテツウの苦しいところである。
夏の暑い日に自転車通勤だと、朝から汗だくになる。電動自転車はそれをうまくカバーしてくれる。
ロードバイクにも乗りたいから、午後の往復はロードバイクが多い。
帰りは汗だくになろうが、風呂に入るだけなので構わない。
そんな日課であるが、今日の昼休み、電動自転車で家に向かっていて、ふと気づいた。
バッテリーをセットし忘れている!
電動自転車というバケモノは、バッテリーがないと、でくの坊というか、ママチャリよりも質の悪い「超重量級」の体を鍛えるための道具と化す。
普段は、ペダルを回すと、モーターが軽やかに回ってアシストしてくれる、というものが、バッテリーなしだと、モーターを回転させるためにまず力を込める必要がある。
自転車を駆動する力+モーターを回す力、の2倍必要、これは過酷なマシンである。
それでも、我が家は山の上からのスタートだから、会社まではバッテリーを必要としない。電源オフで行けてしまう。そういうわけで、今日はバッテリーを忘れて、全く気付かず、来てしまった。
いやはや、仕方ないので、家に帰るのはあきらめて、定食屋でカレーライスを食べて会社に戻った。
仕事が終わった。
今度は、カレー食って会社に戻るわけにいかないから、気合を込めて、坂道をこぐこぐ、こぎまくる、を繰り返したが、最後の最後、我が家に続く10%級の急坂だけは、膝を傷めるのでひたすら押した。
帰りに妻に頼まれて、セブンイレブンで買ってきた「耳までおいしい食パン」をフロントの荷台に載せ、汗の元になるだけだから最初から脱がれてリアの荷台に縛り付けられたジャケットを載せた「バッテリーなしの電動アシスト自転車」は、いつもの2倍の時間をかけて、やっと帰り着いた。
実にいい運動ができた、と日記には書いておこう。