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288億円分の新幹線を水没させた責任

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台風19号で千曲川が決壊し、長野市の北陸新幹線車両センターが水没してから1カ月が経った。なんでもかんでも追い掛け回す週刊誌やリポーターは、やっかいだし、うんざりさせられるが、577台の新幹線車両を水没させてしまったJRの責任者はどうなったのか。

まさに切腹モノの大チョンボであるから、左遷は免れないのではないか、とか、まじめなサラリーマンであれば、精神的に追い詰められているのではないかとか、想像してしまうが、昨日、JRの関係者と話をする機会に恵まれたので、そのへんを聞いてみた。

彼の話によると、責任者がクビになったとか、そういう話はきいていないということであった。JRのようなお役所的企業であれば、想像するに、失態のなすり付け合いがあってもおかしくなく、責任を押し付けられた哀れな社員がいたりしそうなのに、不思議ですね、と訊いてみたところ、「保険で解決されたのではないか」と。

今回の台風では、水没車両が車両保険に入っていなくて悲惨なことになっていると連日報道されたが、確かに、新幹線もそうだという報道は聞かない。

100億かかろうが、200億かかろうが、保険金で新車が買えるなら、確かに問題にならないはずである。

むしろ、水没しただけで、人的被害がゼロであったから、よかったという、きわめて優等生的回答をいただいた。

なるほど、自分がもしも、その当事者であったとしたら、そういう判断ができないと思う。

千曲川が1時間後に決壊しそうだとか、緊急情報を得たとしよう。

もう無理、とあきらめるタイプと、無理と分かっていても、何とかしようとするタイプ、自分は後者である。世の中には不可能なことはたくさんあるというか、不可能なことだらけなのに、自分は不可能だと認めたくない。常に悪あがきするタイプである。

そうやって今まで幾多の試練を乗り越え、幾多のトラブルを解決してきたが、それ以上に「逃げ遅れて」自滅も経験してきた。

そんな性格であるので、もしも私がこの当事者で責任者であったとしたら、嵐の中であろうが、「新幹線を動かしに行くぞ、何人集められる?来れるか?」みたいな仕事をしたと思う。そうすると今回のケースでは犠牲者が出ていたはずで、「それだけは避けられてよかった」というJRマンとは、まったく反対の結果になっていたことであろう。

こうして考えると、ちゃんと保険をかけておき、いざという時にはジタバタしない、日頃から「備えあれば患いなし」という「大企業の仕事」は、大いに称賛されてよいのかもしれない。

追加情報があったので、アップデートしておく。

日経ニュース 19/11/06

JR東日本は6日、台風19号による河川の氾濫で浸水した北陸新幹線10編成をすべて廃車とすると発表した。車両の帳簿上の価値はJR東の持つ8編成が118億円で、JR西日本の2編成が30億円。部品は一部転用するが、残りは2020年3月期に特別損失を計上する方針。

特損を計上するということは、保険金は出ないといううことか?

保険が出ても、特損は計上できるのか?不明なり。

 

日経ニュース 19/12/6

JR東日本、新幹線基地約10メートルかさ上げ 浸水対策  

JR東日本が台風19号で浸水被害に遭った長野市の新幹線車両センターの主要施設をかさ上げする方針を固めたことが6日、分かった。地元のハザードマップに基づいて、2020年にも10メートル程度かさ上げするもよう。費用はこれから算定するが数十億円規模になるとみられる。

10mかさ上げ、って、すごいと思うが、このへんは20m浸水もあり得るレッドゾーンなんだよね。